個人事業主・副業で中古車販売を始める方法と5つの注意点
「法人を作らないと中古車販売はできないのでは」「本業を続けながら副業でできないか」という相談はよくあります。結論から言うと、個人事業主でも副業でも中古車販売は始められます。古物商許可は個人でも取得でき、法人であることは要件ではありません。
この記事では、個人事業主・副業で中古車販売を始める手順と、この形だからこそ注意すべき点を整理します。
個人事業主として始める場合の手順
ステップ1:古物商許可を個人名義で取得する
申請先は営業所の所在地を管轄する警察署(生活安全課)、申請手数料は19,000円、審査は土日祝を除いて40日程度です。個人で取得する場合、必要書類は住民票の写し、身分証明書(本籍地の市区町村が発行するもの)、略歴書、誓約書などです。
注意点として、個人で取った古物商許可は、後から法人を設立してもそのまま引き継げません。法人化する際は法人として取り直しになります。数年以内に法人化する予定が明確なら、最初から法人で取ることも検討してください。
ステップ2:営業所と車両保管場所を決める
自宅を営業所にすることもできますが、賃貸物件の場合は使用承諾が必要になることがあります。また、車両の保管場所は営業所とは別に確保が必要です。用途地域によって展示・保管に制限がかかることもあるため、事前に自治体へ確認してください。
ステップ3:自動車リサイクル法の引取業登録
使用済自動車を引き取る可能性があるなら、都道府県知事への引取業登録が必要です。下取り車を廃車にする場面は実務で発生するため、開業時にあわせて済ませておくのが安全です。
ステップ4:税務署へ開業届を出す
個人事業主として事業を始めたら、税務署に開業届を提出します。青色申告を選ぶ場合は、青色申告承認申請書もあわせて提出します。
ステップ5:仕入ルートとシステムを用意する
ここからが実務です。許可が下りるまでの約40日を使って、仕入れルートの確保と車両販売システムの準備を並行して進めます。
副業で始める場合に向いている売り方
本業を持ちながら中古車販売をする場合、時間と資金の制約をどう設計に落とすかがすべてです。次の3点を押さえると現実的になります。
① 無店舗・注文販売を中心にする
展示場を借りると、賃料という固定費が毎月かかります。副業の段階では、受注してから仕入れる注文販売と、同業者との業販を中心に回すほうがリスクが小さくなります。在庫を持たなければ資金も寝ません。
② 在庫を持つタイミングを遅らせる
仕入代金の立替は、副業段階でもっとも重い負担です。売り先が決まってから仕入れる形にすれば、立替期間を最短にできます。
③ オークション入会は後回しでよい
オートオークションの入会には古物商許可のほか、入会金・保証金・年会費、推薦や審査が必要な場合が多く、開業直後はハードルが高くなりがちです。業販ネットワークや新車ディーラー経由の仕入れなら、会員資格がなくても始められます。実績を積んでから入会を検討する順番が現実的です。
個人・副業だからこそ注意したいこと
「古物商なし」で始めることはできない
規模の大小に関係なく、反復継続して中古車を売買するなら古物商許可は必須です。無許可営業には罰則があります。「まずは1〜2台試してから許可を取る」という進め方はできません。
本業の就業規則を確認する
副業を制限している勤務先もあります。開業届を出す前に、就業規則と競業避止の条項を確認してください。
確定申告と帳簿
中古車販売は1件あたりの金額が大きく、在庫(棚卸資産)の管理も発生します。仕入・売上・諸費用の記録を最初から残しておかないと、確定申告の段階で苦労します。
クレーム対応の体制
中古車は納車後の不具合が起こり得る商材です。副業で時間が取れない中でも対応できるよう、中古車保証と整備の受け皿を先に用意しておくことが重要です。保証の代理店登録をしておけば、修理の窓口を自分ひとりで抱え込まずに済みます。
法人化を検討するタイミング
一般的には、取引量が増えて信用が必要になった段階、あるいは税務上のメリットが出る段階で法人化を検討します。判断材料としては次のようなものがあります。
- オートオークションや取引先から法人での取引を求められた
- 従業員を雇う予定がある
- 所得が増えて税負担のバランスが変わった
前述のとおり古物商許可は法人として取り直しになるため、法人化のタイミングでは許可の再申請期間(約40日)も見込んでおく必要があります。
まとめ
- 個人事業主でも副業でも中古車販売は始められる。古物商許可は個人で取得可能
- ただし個人で取った許可は法人に引き継げない
- 副業なら無店舗・注文販売・業販中心で在庫リスクを抑える設計が向いている
- オークション入会は後回しでよい。業販と新車取次ぎなら会員資格なしで始められる
- クレーム対応のため保証と整備の受け皿を先に用意する
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