中古車販売に必要な資格・免許は?古物商許可の取り方・費用・期間と任意の資格

中古車販売に必要な資格・免許 古物商許可の取り方・費用・期間と任意の資格の一覧

中古車販売に必要な資格や免許はありませんが、「古物商許可」という公安委員会の許可が必須です。扱う内容によっては、自動車リサイクル法の登録や仮ナンバー、保険の代理店登録も関わります。この記事では、要る許可・資格・免許を必須、条件つき、任意に分けた一覧を示したうえで、古物商許可の申請先・費用・期間、「古物商なしで中古車を売ったらどうなるのか」までを、実務の順番に沿って整理します。

この記事で確認した一次情報

中古車販売に必要な許可・資格・免許の一覧

中古車販売に要るものは、必須のもの、扱う業務によって要るもの、任意の資格の3つに分かれます。必須なのは古物営業法第3条に基づく古物商許可だけで、営業所を管轄する警察署を通じて都道府県公安委員会に申請します。国家資格や「中古車販売の免許」という制度はありません。条件つきで要るのは、使用済自動車を引き取るときの引取業者の登録(自動車リサイクル法第42条)、検査や登録のために登録のない車を走らせるときの臨時運行許可(仮ナンバー、道路運送車両法第34条)、自社で損害保険を募集するときの代理店の登録(保険業法第276条)などです。中古自動車査定士は日本自動車査定協会の技能検定による資格で、取るかどうかは店の判断です。

許可・資格 要るかどうか 根拠と窓口 要る場面
古物商許可 必須 古物営業法第3条。都道府県公安委員会(窓口は営業所を管轄する警察署) 中古車を仕入れて売る、買い取る事業をするとき
引取業者の登録 条件つき 自動車リサイクル法第42条。都道府県知事(保健所を設置する市・特別区は市長・区長)。5年ごとに更新 廃車にする車(使用済自動車)をお客様から引き取るとき
フロン類回収業者の登録 条件つき 同法第53条。窓口は引取業者と同じ。5年ごとに更新 使用済自動車のエアコンからフロン類を回収するとき
解体業の許可 条件つき 同法第60条。都道府県知事など 使用済自動車を自社で解体するとき
臨時運行許可(仮ナンバー) 必要なときにその都度 道路運送車両法第34条。地方運輸局長、市・特別区の長など 車検切れや抹消済みの車を、検査や登録のために走らせるとき
回送運行許可 条件つき 道路運送車両法第36条の2。地方運輸局長。有効期間は5年以内 自動車の回送を業として行い、登録のない車を業務で回送するとき
損害保険代理店の登録 条件つき 保険業法第276条 自社が代理店として自賠責保険や任意保険を募集するとき
中古自動車査定士 任意 日本自動車査定協会の技能検定(国家資格ではありません) 買取や下取りの価格を協会の基準で説明したいとき
自動車整備士・認証工場 任意(分解整備を自社で行うなら認証が必要) 道路運送車両法。整備の詳細は整備工場開業の解説サイトへ 納車前整備や車検を自社で行うとき

仮ナンバーの申請先や手数料は仮ナンバー(臨時運行許可)の記事、引取業者の登録は自動車リサイクル法の引取業登録の記事、査定士は中古自動車査定士の資格と取り方の記事で詳しく解説しています。認証工場については認証工場とは何かを解説した記事(整備工場開業・整備士独立支援)をご覧ください。

中古車販売に「資格」は不要、必要なのは「許可」

自動車整備を行うには自動車整備士の資格や認証工場の認証が関わってきますが、中古車の売買そのものに国家資格は必要ありません。学歴も実務経験も問われません。必要なのは、公安委員会から受ける「古物商許可」という営業の許可です。

ここを混同すると準備の順番を間違えます。中古車販売の開業でそろえるものは、大きく次の3種類に分かれます。

① 必ず必要なもの(許可・登録)

  • 古物商許可…中古車を仕入れて売るために必須
  • 自動車リサイクル法の引取業登録…使用済自動車を引き取る可能性があるなら必要
  • 開業届(個人事業主)または設立登記(法人)…税務上の手続き

② 事業内容によって必要なもの

  • 保険代理店登録…納車時に自賠責・任意保険を扱う場合
  • オートローン(信販会社)の代理店登録…分割払いを提案する場合
  • 認証工場の認証…分解整備を自社で行う場合

③ 許可ではないが実務上そろえるもの

  • 仕入れルート(オートオークション会員、業販ネットワーク、新車ディーラー経由)
  • 車両保管場所・営業所
  • 車両販売システム(顧客・在庫・原価の管理)

古物商許可の取り方|申請先・費用・期間

中古車は古物営業法上の「自動車」という区分の古物にあたります。これを業として反復継続して売買するには、営業所の所在地を管轄する警察署を通じて、都道府県公安委員会の許可を受けます。申請先は主たる営業所を管轄する警察署で、申請手数料は19,000円、標準処理期間は概ね40日です。許可を受けた後は、営業所に縦8cm×横16cmの標識(プレート)を掲げ、取引のたびに帳簿へ記録し、最終の記載から3年間保存します。中古車販売の場合、帳簿には車検証から登録番号、車名、車台番号、所有者の氏名または名称を写します。様式や添付書類は都道府県ごとに違うため、申請前に管轄の警察署で一覧を確かめておくと差し戻しを減らせます。

申請先は営業所を管轄する警察署

窓口は警察署の生活安全課です。自宅を営業所にする場合は自宅の住所を管轄する警察署になります。事前に電話で予約を求められることが多いため、いきなり行かずに一度連絡を入れておくとスムーズです。

申請手数料は19,000円

申請手数料は19,000円です。これは許可が下りなかった場合でも返還されません。書類の不備で受理されない段階なら支払いは発生しませんが、審査に入ってから不許可になった場合は戻らない点に注意してください。

審査期間は40日程度

標準的な処理期間は、土日祝を除いて40日程度とされています。書類に不備があればさらに延びます。開業日から逆算して、少なくとも2か月前には申請を済ませておくのが安全です。この待ち時間に仕入れルートの確保やシステムの準備を並行して進めるのが、最短で開業する段取りです。

主な必要書類

  • 許可申請書(様式は警察署または各都道府県警のサイトで入手)
  • 住民票の写し(本籍地記載のもの)
  • 身分証明書(本籍地の市区町村が発行するもの。運転免許証ではありません)
  • 略歴書、誓約書
  • 営業所の使用権原を示す資料(賃貸なら賃貸借契約書の写しや使用承諾書)
  • 法人の場合は定款・登記事項証明書・役員全員分の書類
  • URLを届け出る場合はドメイン使用権疎明資料

必要書類や様式は都道府県によって細かく異なります。必ず管轄の警察署で最新の一覧を確認してください。書類ごとの取り方は古物商許可の必要書類の記事にまとめています。

許可が下りないケース(欠格事由)

誰でも取れるわけではなく、次のような場合は許可されません。

  • 破産手続開始の決定を受けて復権していない
  • 一定の犯罪歴があり、その執行終了から所定の期間が経過していない
  • 暴力団員またはそれに準ずる者
  • 営業所の実態がない、使用権原を示せない

欠格事由と待つ期間は古物商許可の欠格事由の記事で解説しています。

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「中古車販売を古物商なしで」はできません

「古物商 なし」で中古車を売れないかという相談は少なくありませんが、事業として反復継続して中古車を売買するなら無許可営業は法令違反です。古物営業法第31条は、許可を受けずに古物営業を営んだ者を3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処すると定めています。

自分が使っていた車を1台手放すといった行為は古物営業に当たりませんが、「安く仕入れて利ざやを取る」ことを繰り返す時点で営業とみなされます。オートオークションの会員登録にも古物商許可証の提示が求められるため、そもそも仕入れの入口に立てません。

自動車リサイクル法の引取業登録も忘れずに

中古車販売店が見落としがちなのが、自動車リサイクル法にもとづく引取業の登録です。使用済自動車(廃車にする車両)を引き取る可能性があるなら、都道府県知事への登録が必要になります。

「うちは廃車は扱わない」と考えていても、下取りで引き取った車の状態が悪く廃車にする、というケースは実務で普通に発生します。開業時にあわせて登録しておくのが安全です。

なお、解体やフロン類の回収まで自社で行う場合は、引取業とは別の許可・登録が必要です。申請先は各都道府県の担当事務所です。

中古車屋の開業までの現実的なスケジュール

古物商許可の審査に約40日かかることが、全体の日程を決めます。

  1. 2〜3か月前…事業計画、営業所と車両保管場所の確保、資金計画、申請書類の収集
  2. 1.5〜2か月前…古物商許可を警察署へ申請、自動車リサイクル法の引取業登録
  3. 1か月前…仕入れルート、保証、保険、オートローンの手配、車両販売システムの導入
  4. 2週間前…在庫車の仕入れ、プライスボード作成、掲載媒体の準備
  5. 開業…開業届の提出、販売開始

営業所については、用途地域によって車両の展示・保管に制限がかかることがあります。物件を決める前に自治体へ確認してください。開業の手順全体は車屋を始めるための開業手順の記事で確認できます。

古物商許可が取れたあと、実際につまずくのはここ

許可は手続きを踏めば取れます。開業後に苦労するのはむしろ次の3点です。

仕入れの間口が狭い

オートオークションは主要な仕入先ですが、入会には古物商許可のほか保証金・入会金・年会費、推薦や審査が必要な場合が多く、開業直後はハードルが高くなりがちです。オークション以外の業販ネットワークや、新車ディーラー経由の仕入れルートも併せて持っておくと在庫の選択肢が広がります。

販売以外の収益源がない

車両本体の差益だけでは経営は安定しません。保証、保険、オートローン手数料、納車後の車検・点検の入庫まで含めて設計する必要があります。

顧客と車両の管理が追いつかない

台数が少ないうちは表計算ソフトでも回りますが、車検・保険の満了案内や在庫の原価管理まで含めると早い段階で行き詰まります。開業時から車両販売システムを入れておくほうが結果的に安く済みます。

まとめ

  • 中古車販売に国家資格や免許は不要。必要なのは古物商許可
  • 申請先は営業所を管轄する警察署(生活安全課)、手数料19,000円、審査約40日
  • 使用済自動車を引き取るなら自動車リサイクル法の引取業登録も必要
  • 仮ナンバーや保険代理店の登録は、その業務をするときだけ要る。査定士は任意
  • 無許可での中古車販売は法令違反。オークション会員にもなれない
  • 許可より難しいのは仕入れルート・収益源・管理体制の3つ

日本カーネットの「くるま屋開業スタート支援パック」は、この後半3つ、つまり中古車・新車の仕入ルート、中古車保証、保険会社とオートローン会社のご紹介、リサイクルパーツ、車両販売システムまでを、月額5,500円(税込)からまとめてご用意しています。許可の申請はご自身で、事業を回す仕組みは弊社で、という分担でお使いいただけます。

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中古車販売の資格・免許と古物商許可に関するよくある質問

中古車販売に資格は必要ですか?
国家資格は必要ありません。必要なのは古物商許可という行政の許可です。営業所を管轄する警察署の生活安全課へ申請します。
中古車販売に免許は要りますか?
「中古車販売の免許」という制度はありません。必須なのは古物営業法第3条の古物商許可です。仮ナンバーの臨時運行許可や、損害保険代理店の登録は、その業務をするときに個別に受けます。
古物商許可の費用と期間はどのくらいですか?
申請手数料は19,000円です。標準的な審査期間は土日祝を除いて40日程度で、書類に不備があるとさらに延びます。
古物商許可なしで中古車を販売できますか?
できません。事業として反復継続して中古車を売買する無許可営業は法令違反で、古物営業法第31条により3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象です。オートオークションの会員登録にも古物商許可証が必要です。
自動車リサイクル法の登録も必要ですか?
使用済自動車を引き取る可能性があるなら、都道府県知事(保健所を設置する市・特別区は市長・区長)への引取業登録が必要です。下取り車を廃車にするケースは実務で発生するため、開業時に登録しておくのが安全です。
中古自動車査定士の資格は取ったほうがよいですか?
販売の条件ではありませんが、買取や下取りの価格を日本自動車査定協会の基準で説明できるようになります。在庫や顧客の管理には、車両販売システム(車販ソフト)を開業時から用意しておくと、査定や仕入れの記録も一緒に残せます。

※本記事は一般的な制度の解説です。手数料・必要書類・処理期間は都道府県によって異なり、制度改正もあります。申請前に必ず管轄の警察署および各都道府県の担当窓口で最新情報をご確認ください。

出典

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月24日確認)。

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