古物台帳の書き方|自動車は車台番号まで記載が必要な理由

古物商には、取引を記録する帳簿(古物台帳)の備付け・記載義務があります。中古車販売業では、この記載項目が他の古物より多く、車台番号まで書く必要があるのが特徴です。

この記事では、古物台帳に何を書くのか、自動車の場合に何が追加されるのか、そして「1万円未満は記載不要」という例外が自動車にどう当てはまるのかを整理します。

古物台帳の様式

帳簿の様式は古物営業法施行規則第17条・別記様式第15号(古物商用)で定められています。市販の古物台帳や、各都道府県警のサイトからダウンロードできる様式を使うのが確実です。

法定の様式に沿っていれば、電磁的方法(パソコンでの記録)によることも認められています。中古車販売システムで顧客・車両情報を管理している場合、そこから台帳に必要な項目を出力できる形にしておくと実務が楽になります。

記載する基本項目

項目 内容
取引の年月日 買受け・売却した日
古物の品目・数量 自動車の場合は後述の詳細項目が必要
古物の特徴 車名・色・状態など
相手方の住所・氏名・職業・年齢 本人確認の結果を記載
確認の方法 どの書類で本人確認したか
代価 取引金額

なお、現に使用している帳簿に既に住所・氏名・職業・年齢が記載してある者については、氏名以外の事項で異動のないものの記載は省略できるとされています。常連の業販先との取引では、この省略規定が実務上効いてきます。

★自動車は「車台番号」まで記載する

ここが中古車販売業に固有のポイントです。別記様式第15号の備考では、自動車について次のように定められています。

自動車検査証に記載され、又は記録された自動車登録番号又は車両番号、車名、車台番号及び所有者の氏名又は名称等の必要な事項を記載すること」

つまり自動車の場合、品目名を書くだけでは足りず、次の4点を車検証から転記する必要があります。

  1. 自動車登録番号または車両番号(ナンバー)
  2. 車名
  3. 車台番号
  4. 所有者の氏名または名称

電子車検証の場合の注意

備考が「記載され、又は記録された」となっているとおり、電子車検証(ICタグ付きの車検証)も対象です。電子車検証では券面に印字されない項目があるため、閲覧アプリで記録事項を確認して転記する必要があります。券面だけを見て転記すると、記載漏れが起きやすい部分です。

所有者名の確認が重要な理由

所有者の氏名または名称を記録するのは、その車を売る権限が相手方にあるかを確認するためでもあります。ローン中の車両で所有者が信販会社になっているケース、法人名義のケースなど、売主と所有者が一致しない場面は中古車では日常的に発生します。台帳への記載を通じて、この確認が自然に組み込まれる形になっています。

「1万円未満は記載不要」は自動車にどう当てはまるか

古物商は、買い受ける物品の総額が1万円未満の場合、相手方の確認義務および帳簿等への記載義務が原則として免除されています。ただし、この免除が適用されない例外品目があります。

区分 品目
従来からの例外 オートバイ/家庭用コンピュータゲームソフト/CD・DVD類/書籍
令和7年10月1日施行の改正で追加 エアコンディショナーの室外ユニット/電気温水機器のヒートポンプ/電線(家庭用ケーブルを除く)/グレーチング(金属製に限る)

ここで押さえておきたいのは、四輪自動車はこの例外品目のリストには入っていないという点です。「自動車は例外品目だから厳しい」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。

ではなぜ自動車の記録が厳格になるのか。理由は次の2つです。

① 取引額がまず1万円以上になる
自動車の売買で総額1万円未満というケースは現実にはほぼありません。したがって結果としてすべての取引で確認義務・記載義務がかかります。免除規定を当てにできない、という意味では実質的に「例外品目と同じ扱い」になります。

② 記載項目そのものが多い
一般の古物なら品目と特徴で足りるところ、自動車は登録番号・車名・車台番号・所有者名まで求められます。「厳しい」の実体はこちらです。

なお二輪(オートバイ)を扱う場合は、金額に関係なく確認義務・記載義務がかかります。中古車販売店がバイクも扱うなら、この違いは押さえておいてください。

保存期間と運用

帳簿は最終の記載をした日から一定期間の保存が必要です(保存期間は施行規則で定められています)。廃業した場合の取り扱いも含め、具体的な期間と方法は管轄の警察署にご確認ください。

実務上のポイントは次の3つです。

  • 取引のたびに、その都度記載する…あとでまとめて書こうとすると必ず漏れます
  • 車検証のコピーを取っただけで済ませない…台帳への転記が義務です
  • 電磁的方法なら、車両販売システムから必要項目を出力できる設計にする…二重入力をなくせます

台帳が実務で効いてくる場面

古物台帳は「役所に出すための書類」ではなく、自店を守るための記録でもあります。

  • 仕入れた車に盗難歴の疑いが生じたとき、いつ誰から取得したかを示せる
  • 所有権留保の車両で、売却権限の確認をしていたことを説明できる
  • 立入りの際、記録の整備状況をそのまま示せる

まとめ

  • 様式は施行規則第17条・別記様式第15号。電磁的方法も可
  • 自動車は登録番号・車名・車台番号・所有者名を車検証から転記する
  • 電子車検証は閲覧アプリで記録事項を確認して転記する
  • 1万円未満の免除の例外品目に四輪自動車は含まれないが、取引額がまず1万円以上になるため実質すべての取引で義務がかかる
  • オートバイは金額に関係なく確認・記載義務あり
  • 令和7年10月1日施行の改正でエアコン室外機・ヒートポンプ・電線・グレーチングが例外品目に追加された

「くるま屋開業スタート支援パック」の車両販売システムは、顧客と車両を1件ずつひも付けて管理できます。車検・保険の満了案内や在庫・原価の管理まで含めて、記録を業務の中に組み込む形でご利用いただけます。月額5,500円(税込)〜、初期費用参考価格6万円〜です。

くるま屋開業スタート支援パックの詳細を見る資料請求・ご相談はこちら(無料)

※記載事項・保存期間・確認方法の詳細は古物営業法および同施行規則によります。制度改正もあるため、実際の運用は管轄の警察署(生活安全課・防犯係)にご確認ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です