古物商許可なしで車を売るとどうなる?自己所有車の売却はセーフか
「自分の車を売るだけなら許可はいらないのか」「まず数台売ってみて、儲かりそうなら許可を取ればいいのでは」——中古車ビジネスを始める前に、必ず整理しておくべき論点です。
結論から言うと、自己所有車を手放すだけなら古物商許可は不要ですが、転売目的で仕入れて売る行為は1台目から古物営業にあたります。この記事では、その線引きと、無許可で続けた場合に何が起きるのかを整理します。
古物営業にあたるかどうかの分かれ目
古物商許可が必要になるのは、古物を売買する営業を行う場合です。判断の軸は次の2点です。
① 転売目的で取得したか
最初から売るために仕入れた車は、たとえ1台でも古物営業の対象になります。
② 反復継続して行うか
「営業」とは反復継続して行うことを指します。年に何十台も売買していれば、本人が趣味のつもりでも営業と評価され得ます。
ケース別の考え方
| ケース | 許可の要否 | 理由 |
|---|---|---|
| 自分が乗っていた愛車を売却する | 不要 | 転売目的で取得したものではない |
| 相続した車を売却する | 不要 | 同上 |
| 安く仕入れて利ざやを乗せて売る | 必要 | 1台目から転売目的の売買 |
| 知人から頼まれて売却を代行し手数料を取る | 要確認 | 態様により古物営業に該当し得る |
| 短期間で乗り換えを繰り返し、そのつど売却 | 要注意 | 回数・態様によっては営業と評価され得る |
| 部品取り車を仕入れてパーツを売る | 必要 | 取り扱う区分の確認も必要 |
「1台だけならセーフ」という理解は誤りです。台数ではなく、取得の目的と反復継続性で判断されます。逆に、自分で使っていた車を手放すだけなら、それが高額でも許可は不要です。
「まず数台売って様子を見る」ができない理由
開業を検討する方からよく出る発想ですが、これは成立しません。理由は3つあります。
① 無許可営業は法令違反
転売目的の売買を反復継続して行えば、その時点で無許可の古物営業です。古物営業法には無許可営業に対する罰則が定められています。「小規模だから」「試しに」という言い訳は通りません。
② 仕入れの入口に立てない
実務面でも詰みます。オートオークションの会員登録には古物商許可証の提示が必要です。許可がなければ、そもそも仕入れルートを確保できません。業販ネットワークでも、取引開始時に許可証の確認を求められるのが通常です。
③ あとで許可を取るときに不利になり得る
古物営業法の欠格事由には、同法第31条に規定する罪で罰金刑に処せられ、執行を終わった日等から5年を経過しない者が含まれています。無許可営業で処分を受けると、その後5年間は許可を取れなくなる可能性があります。試しにやってみた結果、本格開業の道が5年閉ざされるのでは本末転倒です。
名義貸しも認められない
「知り合いの許可を借りて営業する」という発想も出ますが、古物営業法は名義貸しを禁じています。許可を貸した側も違反となり、許可の取消しにつながり得ます。
同様に、個人で取った許可を法人の営業に流用することもできません。個人の許可は法人に引き継げず、法人として新規に取り直す必要があります。
迷いやすいグレーゾーン
フリマアプリ・オークションサイトでの車両売買
プラットフォームが個人間取引を前提としていても、転売目的で仕入れた車を反復継続して出品すれば古物営業です。取引の場がどこかは判断に影響しません。
知人の車の売却を「手伝う」
単なる紹介にとどまるのか、実質的に自分が買い取って売っているのかで評価が変わります。対価を受け取る形にするなら、事前に管轄警察署へ確認してください。
整備工場が下取り車を売る
整備がメインの工場でも、下取りした車を商品として販売するなら古物営業にあたります。車販部門を立ち上げるタイミングで許可を取得してください。
正しい順番
「様子を見てから」ではなく、次の順番で進めるのが唯一の正解です。
- 古物商許可を申請する(手数料19,000円、標準処理期間おおむね40日)
- 審査を待つ間に仕入ルート・保証・保険・オートローン・システムを準備
- 許可が下りたら標識を掲示し、古物台帳を備え付ける
- 営業開始
審査期間の約40日は「待つだけの時間」ではありません。ここで取引先とシステムを整えておけば、許可が下りた日から動けます。
まとめ
- 自己所有車の売却は許可不要。相続した車も同じ
- 転売目的の仕入れは1台目から古物営業。台数では判断されない
- 「試しに数台」は無許可営業。オークション会員にもなれない
- 無許可営業で処分を受けると、その後5年間許可を取れなくなる可能性
- 名義貸しは禁止。貸した側も処分の対象
- 整備工場が下取り車を販売するなら許可が必要
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※個別の行為が古物営業に該当するかどうかの判断は、管轄の警察署(生活安全課・防犯係)または弁護士・行政書士等の専門家にご確認ください。
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- プレート(標識)の記載・サイズ・掲示場所縦8cm×横16cm・紺色地に白文字
- 変更届・書換申請|住所・役員・営業所・URL14日以内(登記なら20日以内)
- オートオークション会員|AA参加に必要な条件入れない間の仕入れルートも

