古物台帳はエクセルで作れる?様式第15号の項目と自動車商の記録方法

古物台帳のエクセル管理と様式 別記様式第15号の項目と電磁的記録の要件を自動車商向けに整理

古物台帳は、エクセルやパソコンへの入力(法律上の「電磁的方法」)で作ることが認められています。ただし、法第16条の記載事項がそろっていること、3年間保存できること、営業所ですぐ印刷できることの3つを満たす必要があります。この記事は古物商許可ガイドの一つとして、「古物台帳のエクセル管理と様式」をテーマに、別記様式第15号の項目と電磁的記録の要件を自動車商向けに整理します。具体的には、別記様式第15号の項目、自動車で書く特徴欄、エクセル管理の要件、車販システムで台帳を出す方法を、警察庁と警視庁の公表資料をもとに説明します。

この記事で確認した一次情報

古物台帳の様式(別記様式第15号)の項目

古物台帳の様式は、古物営業法施行規則第17条第1項で「別記様式第十五号」と定められています。記載しなければならない事項そのものは古物営業法第16条にあり、取引の年月日、古物の品目と数量、古物の特徴、相手方の住所、氏名、職業、年齢、相手方の確認のためにとった措置の区分の5つです。和歌山県警察の「古物営業の手引き」(令和7年10月版)に載っている様式第15号は、左側が「受入れ」(年月日、買受けか委託かの区分、品目、特徴、数量、確認措置、相手方の住所、氏名、職業、年齢)、右側が「払出し」(年月日、区分、相手方の住所・氏名)という2段構成です。仕入れと販売を1行で追える形になっているため、エクセルで作る場合もこの列の並びをそのまま写すと、警察署の立入りのときに説明しやすくなります。

区分様式第15号の列根拠
受入れ(仕入れ)年月日/区分(買受け・委託)/品目/特徴/数量法第16条第1号〜第3号
受入れ(仕入れ)相手方の真偽を確認するためにとった措置の区分(及び方法)法第16条第5号
受入れ(仕入れ)相手方の住所/氏名/職業/年齢法第16条第4号
払出し(販売)年月日/区分(売却、委託に基づく引渡し、返還)/相手方の住所と氏名法第16条、様式第15号備考1

様式の備考には、品目欄は「一品ごとに記載すること」、そして同じ相手との2回目以降の取引では氏名以外の事項で異動のないものは記載を省略できる、と書かれています。業販先や常連の買取客が多い店では、この省略規定を使うと入力量が減ります。

仕入れ値や売値(代価)は、法第16条の記載事項にも様式第15号の列にも入っていません。ただし、後述する消費税の古物商特例では「支払対価の額」を帳簿に書く必要があるため、実務では代価の列を足しておくのが一般的です。

古物台帳の自動車の書き方(特徴欄と車台番号)

自動車の古物台帳で最も記載量が多いのは「特徴」欄です。別記様式第15号の備考3は、自動車について「自動車検査証に記載され、又は記録された自動車登録番号又は車両番号、車名、車台番号及び所有者の氏名又は名称等の必要な事項を記載すること」と定めています。つまり、品目に「乗用車」と書くだけでは足りず、ナンバー、車名、車台番号、車検証上の所有者名の4つを車検証から転記します。「記録された」とあるとおり電子車検証も対象で、券面に印字されない項目は閲覧アプリで確認してから写します。所有者がローン会社や販売店になっている車は、相手方(売主)と所有者が一致しないため、この欄で食い違いが見えるように残しておくと、売却権限の確認漏れに気づけます。

列自動車の記入例(架空の例)
品目普通乗用自動車
特徴品川300あ0000/車名 ○○/車台番号 ABC1-2345678/所有者 ○○ファイナンス株式会社
数量1
確認措置運転免許証の提示を受けて確認(対面)
相手方住所、氏名、職業(会社員など)、年齢(生年月日でも可)

年齢欄は、警察庁の「古物営業法等の解釈運用基準について」(令和6年8月14日通達)で、生年月日を書けば年齢の記載とみなせるとされています。エクセルでは生年月日を日付型で入れておくと、取引日時点の年齢を計算式で出せます。古物台帳の書き方の基本は「古物台帳の書き方|自動車は車台番号まで記載が必要な理由」でも解説しています。

古物台帳を書く取引と書かなくてよい取引(自動車の場合)

自動車商は、買取りと販売の両方で古物台帳への記載が必要です。古物営業法第16条ただし書は、国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した場合は記載不要としていますが、施行規則第18条第1項は免除の対象から「美術品類」「時計・宝飾品類」「自動車(その部分品を含む。)」「自動二輪車及び原動機付自転車」を外しています。したがって自動車は売ったときも記載します。一方、同条第2項で、法第16条第4号の相手方の記載が不要になる古物は「自動車である古物」とされています。警察庁の解釈運用基準の別表も、自動車を引き渡した場合は相手方の住所、氏名、職業、年齢の記載を不要としています。販売時は年月日、品目、特徴などを残し、買主の個人情報欄は空けておく、という書き分けになります。

取引(自動車)相手方の確認台帳への記録(買い)台帳への記録(売り)
1万円以上の自動車・部分品必要必要必要(自動車の場合、相手方の住所等は不要)
1万円未満の自動車(部分品を含む)不要不要不要

表は警察庁の解釈運用基準・別表の自動車欄を書き写したものです。1万円未満の免除の例外品目には、オートバイ、ゲームソフト、CD・DVD等、書籍のほか、令和7年10月1日施行でエアコンの室外ユニット、ヒートポンプ、電線、金属製グレーチングが加わりましたが、四輪自動車は例外品目に入っていません。とはいえ、売買する自動車が1万円未満になる場面はほとんどないため、実務上はほぼ全件で記載が必要になります。

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古物台帳をエクセル・パソコンで管理するときの要件

古物台帳をエクセルで付けるときに守る要件は、警察庁の解釈運用基準で具体的に示されています。まず、法第16条の「電磁的方法」による記録とは、フラッシュメモリなどの電磁的記録媒体やコンピュータのハードディスク等への入力による記録をいい、POSシステムでも第1号から第5号までの内容を網羅していれば該当するとされています。次に、法第18条がいう「すぐ書面に表示できる状態での保存」とは、入力した記録をすぐプリントアウトできるよう、各営業所に印刷に必要な機器を備えておくことです。データ自体は本社のコンピュータで一括管理してもよいとされています。さらに施行規則第19条は、国家公安委員会が定める基準を確保するよう努めることを求めています。

  • 法第16条の5項目(年月日、品目と数量、特徴、相手方、確認措置)を列としてすべて持つ
  • 取引のたびに入力する(解釈運用基準は1週間分や1か月分のまとめ書きを認めていない)
  • 営業所にプリンターを置き、立入りのときにすぐ印刷できるようにする
  • 最終の記録から3年間は消さない。上書き保存で過去の行を失わないよう、年度ごとにファイルを分けて控えを取る
  • パソコンの故障やファイル消失で記録を失ったときは、直ちに所轄警察署長に届け出る(法第18条第2項)

エクセルは自由に書き換えられるため、誰がいつ修正したかが残りにくい点に注意が要ります。行の削除を禁止する、修正時は備考列に理由と日付を書く、といった社内ルールを決めておくと、後から説明がつきます。

古物台帳の保存期間と消費税の帳簿としての保存

古物台帳の保存期間は、古物営業法第18条第1項で「最終の記載をした日から三年間」と定められています。電磁的方法の場合は「当該記録をした日から三年間」です。解釈運用基準によると「最終の記載をした日」は当該帳簿を使った最終日を指し、記載が遅れた場合は記載すべき日を基準に数えます。一方、消費税では別の期間が関係します。国税庁のインボイスQ&A(問106、問110、令和8年5月改訂)によると、古物商が適格請求書発行事業者以外の消費者などから中古車を買い受けた場合は、一定の事項を書いた帳簿の保存だけで仕入税額控除が認められます(古物商等特例)。この場合、古物台帳を帳簿の一部として使うなら、確定申告書の提出期限の翌日から7年間の保存が必要とされています。

目的保存期間根拠
古物営業法の帳簿最終の記載(記録)をした日から3年間古物営業法第18条第1項
消費税の古物商等特例の帳簿として使う場合確定申告書の提出期限の翌日から7年間国税庁 インボイスQ&A 問110(消令71②)

国税庁の問110は、古物台帳には相手方の氏名と住所、年月日、内容、対価の額が書かれていることを前提に、「帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨」を総勘定元帳などに記載して合わせて保存すれば要件を満たすと案内しています。エクセルの台帳に「古物商特例」の列を設けておけば、経理側の転記も少なくなります。

車販システムで古物台帳を出す方法

古物台帳を車販システム(車両販売システム)から出す方法は、仕入れ登録と販売登録の画面に台帳の項目を持たせ、一覧を様式第15号の列順で印刷する、というものです。仕入れのときに車検証の情報(登録番号、車名、車台番号、所有者)と売主の本人確認結果を入力すれば、その1回の入力が在庫管理、原価管理、古物台帳の3つに使われます。販売時は売却日と区分を入れるだけで払出し欄が埋まります。エクセルとの違いは、在庫と台帳が別ファイルにならないため記載漏れが起きにくいこと、修正履歴が残る製品なら書換えの経緯を説明しやすいことです。注意点として、解釈運用基準は営業所での即時印刷を求めているため、クラウド型でもオフラインの製品でも、営業所から台帳を印刷できるかを導入前に試しておく必要があります。

  • 仕入れ画面に、特徴欄の4項目(登録番号、車名、車台番号、所有者)と確認方法の入力欄があるか
  • 販売画面で、売却、委託に基づく引渡し、返還の区分を選べるか
  • 台帳を期間指定で一覧印刷でき、3年分以上を保持できるか
  • 消費税の古物商特例の旨と仕入れ価格を同じ画面で管理できるか

仕入れルートごとの記録の違いは「中古車の仕入れルート4種類」、営業所に置く標識は「古物商プレート(標識)の記載内容と掲示場所」で確認できます。

古物台帳のエクセル・様式のまとめ

古物台帳は、古物営業法第16条により紙の帳簿のほか電磁的方法での記録が認められており、エクセルや車販システムで作れます。様式は施行規則第17条の別記様式第15号で、受入れ側に年月日、区分、品目、特徴、数量、確認措置、相手方の住所、氏名、職業、年齢、払出し側に年月日、区分、相手方の住所と氏名を書く構成です。自動車の特徴欄には、車検証に記載または記録された登録番号、車名、車台番号、所有者名を転記します。自動車は売却時も記載が必要ですが、買主の住所等は不要です(施行規則第18条第2項)。保存は最終の記載から3年間で、電磁的記録は営業所ですぐ印刷できる状態にしておきます。消費税の古物商等特例に使う場合は7年間の保存が求められます。

申請前の準備全体は「中古車販売に資格は必要?古物商許可の取り方」、許可を取らずに売った場合の扱いは「古物商許可なしで車を売るとどうなる?」にまとめています。

古物台帳のエクセル・様式に関するよくある質問

古物台帳はエクセルで作ってもよいですか?
作れます。古物営業法第16条は、帳簿等への記載のほかに「電磁的方法により記録」することを認めています。警察庁の解釈運用基準では、ハードディスク等への入力による記録がこれに当たるとされています。法第16条の5項目がそろっていて、営業所ですぐに印刷できる状態で3年間保存できれば、エクセルでも要件を満たします。
古物台帳の様式はどこで手に入りますか?
様式は古物営業法施行規則第17条の別記様式第15号で定められています。警視庁の「帳簿の様式」のページや、各県警の古物営業の手引きに様式と備考が載っています。市販の古物台帳も同じ様式に沿って作られています。
自動車を売ったときも古物台帳に書く必要がありますか?
必要です。施行規則第18条で、自動車(その部分品を含む)は売却時の記載を免除される古物から外されています。ただし同条第2項により、引き渡した古物が自動車の場合は、相手方(買主)の住所、氏名、職業、年齢の記載は要りません。
古物台帳の保存期間は何年ですか?
古物営業法第18条により、最終の記載をした日から3年間です。電磁的方法で記録した場合は、その記録をした日から3年間、営業所ですぐに書面に表示できる状態で保存します。なお、消費税の古物商特例で台帳を帳簿として使う場合、国税庁は確定申告書の提出期限の翌日から7年間の保存が必要と案内しています。
古物台帳を書かなかった場合の罰則はありますか?
あります。古物営業法第33条により、必要な記載や記録をしなかった場合、虚偽の記載をした場合、帳簿等を3年間備え付けなかった場合は、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象です。
中古車販売を始めるとき、車両や顧客の管理はどうすればよいですか?
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出典

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月4日確認)。

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