中古車販売で必要な書類一覧|買取時・販売時・名義変更の譲渡証明書と委任状

中古車販売で必要な書類一覧を、買取時、販売時、登録時の3つの場面に分けてまとめました。この記事は中古車屋の開業ガイドの一つで、買取時、販売時、登録時に集める書類を登録車と軽自動車で整理しています。書類の名前と期限は国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトと軽自動車検査協会の案内、根拠は道路運送車両法と自動車登録令で確認しました。
この記事で確認した一次情報
- 車を売買等により名義変更するために必要な書類(国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト)登録車の移転登録の提出書類
- 名義変更(売買・譲渡・その他)(軽自動車検査協会)軽自動車の名義変更の必要書類と手数料
- 道路運送車両法(e-Gov法令検索)第13条 移転登録、第33条 譲渡証明書
中古車販売で必要な書類の全体像
中古車販売で必要な書類は、仕入れる時に旧所有者から受け取る書類、売る時にお客様から預かる書類、運輸支局や軽自動車検査協会に出す申請書類の3種類に分かれます。登録車の名義変更は道路運送車両法第13条の移転登録で、所有者が変わった日から15日以内に新所有者が申請します。申請書に添える書面は自動車登録令第14条が定めており、登録の原因を証する書面(売買なら譲渡証明書)と、代理人が申請する場合の権限を証する書面(委任状)が中心です。軽自動車は登録ではなく自動車検査証の変更記録で、道路運送車両法第67条により使用者が15日以内に手続きします。必要書類が少ない一方で、使用者以外が申請するときは申請依頼書が要ります。どの場面の書類が欠けても名義変更は止まるので、仕入れの時点で次の買主に渡す書類まで揃えておくのが基本です。
- 買取時(仕入れ)は、旧所有者から自動車検査証、譲渡証明書、印鑑証明書、委任状、自賠責保険証明書、リサイクル券を受け取ります。
- 販売時は、お客様から印鑑証明書、委任状、自動車保管場所証明書(車庫証明)、住所を証する書面を預かります。
- 登録時は、販売店が申請書(OCR第1号様式)と手数料納付書を作り、書類一式を管轄の運輸支局等へ出します。
オートオークションで仕入れた車は、出品店から譲渡証明書などが一式で届くのが通常です。個人から買い取る場合は、書類を揃えるのも販売店の仕事になります。
中古車の買取時に受け取る書類
買取時に受け取る書類とは、旧所有者の名義から次の名義へ移すために、旧所有者本人しか用意できない書類のことです。登録車の場合、総合ポータルサイトは旧所有者側の書類として、自動車検査証、実印を押した譲渡証明書、発行から3か月以内の印鑑証明書、代理人申請の場合の実印を押した委任状を挙げています。車検証の所有者の住所や氏名が印鑑証明書と違う場合は、つながりを証明する住民票や戸籍の附票(法人は商業登記簿謄本など)も必要です。青森運輸支局の案内は、車検切れの自動車は名義の変更ができないと明記しています。買取の契約を結ぶ前に、車検証閲覧アプリで有効期間と所有者を確かめ、所有者がローン会社やディーラーになっている車は所有権解除の書類を先に手配します。
| 書類 | 登録車 | 軽自動車 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 自動車検査証(車検証) | 必要 | 必要(原本) | 有効期間内か、所有者が売主本人かを見ます |
| 譲渡証明書 | 必要(譲渡人の実印) | 協会の名義変更の必要書類には記載なし | 車台番号と原動機の型式が車検証と合うかを見ます |
| 印鑑証明書 | 必要(発行3か月以内) | 不要(住所証明として使うことは可) | 車検証の住所と同じかを確かめます |
| 委任状 | 代理人が申請する場合に必要(実印) | 代わりに申請依頼書 | 委任事項と日付が書かれているかを見ます |
| 自賠責保険証明書 | 車両に備え付け | 車両に備え付け | 保険期間の満了日を控えます |
| リサイクル券(預託証明書) | 預託の確認に使う | 預託の確認に使う | 預託済みかと預託金額を確かめます |
住所が複数回変わっている売主は、住民票だけではつながりを証明できないことがあります。その場合は住民票の除票や戸籍の附票を追加で取ってもらうため、買取の当日に車検証の住所と現住所を照合しておくと二度手間を防げます。
譲渡証明書と委任状の書き方と注意点
譲渡証明書とは、自動車を譲り渡したことを証明する書面で、道路運送車両法第33条が記載事項を定めています。書く内容は、譲渡の年月日、車名及び型式、車台番号及び原動機の型式、譲渡人及び譲受人の氏名又は名称及び住所の4つです。同条第2項により、1両につき2通以上交付してはなりません。前の取引の譲渡証明書を持っている場合は、それも譲受人に渡すよう第3項が定めています。委任状は、自動車登録令第14条第1項第3号の代理権限を証する書面にあたり、総合ポータルサイトでは新旧所有者の委任状に実印を押すよう案内しています。使用者の委任状は、申請書に使用者の記名があれば不要です。様式は総合ポータルサイトから入手でき、ブラウザで直接記入する場合はGoogle Chromeを使うよう案内されています。
- 譲渡証明書の車台番号と原動機の型式は、車検証の記載と一字ずつ照合します。
- 譲渡人の欄には実印を押してもらい、印鑑証明書の印影と同じかを確認します。
- 譲受人の欄は、次の買主が決まるまで空けておく運用もありますが、記入した日付と譲渡の流れを古物台帳に残しておきます。
- 委任状は委任する手続きの内容と日付を書き、代理人の欄に販売店名と所在地を入れます。
- 書き損じた書類は訂正せずに新しい用紙で作り直し、2通以上が出回らないよう破棄します。
道路運送車両法第33条第4項により、譲渡証明書の記載事項を電磁的方法で登録情報処理機関に提供することもできます。この場合、自動車登録令第14条第3項に基づき、申請書にその旨を書けば紙の譲渡証明書の提出に代えられます。
中古車の販売時にお客様から預かる書類
販売時にお客様から預かる書類とは、お客様を新しい所有者や使用者として登録するための書類です。登録車の移転登録では、新所有者の発行から3か月以内の印鑑証明書と、販売店が代理で申請する場合は新所有者の実印を押した委任状が必要です。新所有者と新使用者が違う場合は、新使用者の住所を証する書面(住民票の写し、商業登記簿謄本、印鑑証明書のいずれか)と、申請書への記名又は委任状も要ります。使用の本拠の位置が変わり、保管場所証明の適用地域にあたる場合は、自動車保管場所証明書(車庫証明)も添付します。総合ポータルサイトは証明の日から概ね1か月以内のもの、青森運輸支局の案内は証明の日から40日以内のものとしており、表現が異なるため申請先の案内に従ってください。
| お客様の立場 | 登録車で預かる書類 | 軽自動車で預かる書類 |
|---|---|---|
| 新所有者 | 印鑑証明書(3か月以内)、実印を押した委任状 | 所有者が変わる場合も協会の必要書類に印鑑証明書の記載なし |
| 新使用者(所有者と別の場合) | 住所を証する書面、申請書への記名又は委任状 | 住所を証する書面(住民票の写し又は印鑑証明書、3か月以内) |
| 車庫 | 自動車保管場所証明書(適用地域で本拠が変わる場合) | 協会の手続きには不要。地域により手続き後に警察署へ届出 |
| 代理申請 | 委任状 | 申請依頼書 |
書類の預かりは、注文書を交わすタイミングで案内すると漏れが減ります。注文書に必要書類と期限を書く方法は中古車の注文書と売買契約書の書き方で扱っています。
登録車と軽自動車の必要書類の違い
登録車と軽自動車の必要書類の違いは、手続きの性質から生まれています。登録車の名義変更は自動車登録ファイルに所有権を記録する移転登録なので、譲渡の事実を示す譲渡証明書と、本人の意思を示す実印と印鑑証明書が求められます。軽自動車は登録制度の対象外で、名義変更は自動車検査証の記録事項を書き換える変更記録です。軽自動車検査協会の案内では、必要書類は自動車検査証、使用者の住所を証する書面、自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式又は軽専用第1号様式)が中心で、申請手数料は無料です。管轄が変わる場合はナンバープレートの返納と交付が必要になり、ナンバープレート代が別にかかります。申請先は、新しい使用者が車を使う場所を管轄する事務所、支所又は分室です。
| 比べる項目 | 登録車(普通車、小型車) | 軽自動車 |
|---|---|---|
| 手続きの名称 | 移転登録(道路運送車両法第13条) | 自動車検査証の変更記録(同法第67条) |
| 申請先 | 使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等 | 使用の本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会の事務所等 |
| 申請書 | OCR申請書第1号様式 | 軽第1号様式又は軽専用第1号様式 |
| 譲渡証明書 | 必要 | 協会の必要書類に記載なし |
| 印鑑証明書 | 新旧所有者とも必要 | 住所証明として使える |
| 代理申請の書面 | 委任状(実印) | 申請依頼書 |
| 車庫 | 保管場所証明書(適用地域で本拠が変わる場合) | 協会の手続きには不要 |
| 申請手数料 | 移転登録は窓口700円、OSS600円(2026年4月1日から) | 無料 |
移転登録の手数料と申請の流れは中古車の名義変更(移転登録)を販売店が行う流れで詳しく説明しています。
電子車検証と自賠責保険証明書、リサイクル券の確認
電子車検証とは、2023年1月4日から交付が始まったICタグ付きの自動車検査証です。国土交通省の電子車検証特設サイトによると、券面には有効期間や使用者の住所、所有者の情報が記載されず、これらはICタグに記録されます。買取の場面では、車検証閲覧アプリでICタグを読み取らないと所有者が売主本人かどうかを確かめられません。自賠責保険証明書は、自動車損害賠償保障法第8条により車両に備え付けなければ運行できない書類で、記載事項に変更があったときは同法第7条第2項により変更の記入を受けます。リサイクル券はリサイクル料金を預託したことを示す書類で、自動車リサイクル促進センターは中古車の購入者が車両価値金額とは別にリサイクル料金相当額を支払うと案内しています。3つとも、車両本体と一緒に次の買主へ引き継ぐ書類として管理します。
- 電子車検証は、閲覧アプリで所有者、使用者、有効期間を読み取り、画面を保存しておきます。
- 自賠責保険証明書は、保険期間の満了日を確認し、車両と一緒に保管します。
- リサイクル券は、預託金額を確認して販売時の精算に使います。
自賠法第9条は、使用者の変更を伴う自動車検査証の変更記録などを受ける際に、自賠責保険証明書の提示を求めています。軽自動車の名義変更で求められる場合があるので、申請前に協会の事務所で確認してください。リサイクル料金の精算方法は中古車のリサイクル料金(預託金)の扱いで解説しています。
中古車の書類を保管する手順と古物台帳
中古車の書類の保管とは、1台ごとに受け取った書類と渡した書類を記録し、名義変更が終わるまで紛失させない管理のことです。中古車の仕入れと販売は古物台帳にも記録するので、譲渡証明書や車検証の車台番号と台帳の記載を同じ番号で照合できる状態にしておくと、後からの確認がすぐに済みます。印鑑証明書は3か月、車庫証明は概ね1か月と期限がある書類が多く、在庫期間が長い車ほど期限切れの危険が高まります。車両ごとに書類の受領日と期限を一覧にし、名義変更の完了日まで追える状態にしておくことが、書類事故を防ぐ実務の中心です。
- 仕入れた日に、受け取った書類を1台ごとの封筒やファイルにまとめます。
- 印鑑証明書の発行日と、車庫証明の証明日を一覧に書きます。
- 古物台帳に車台番号と取引の相手方を記録します。
- 名義変更の申請日と、新しい車検証の受領日を記録します。
- お客様に渡す書類(車検証、自賠責保険証明書、リサイクル券、保証書)を納車時に確認します。
古物台帳の記録方法は古物台帳の書き方、許可そのものの取り方は古物商許可の取り方にまとめています。
まとめ
中古車販売で必要な書類は、買取時に旧所有者から受け取る書類、販売時にお客様から預かる書類、登録時に提出する申請書類に分けると整理できます。登録車の移転登録では、譲渡証明書、新旧所有者の印鑑証明書(3か月以内)、実印を押した委任状、必要に応じて車庫証明が中心になり、所有者が変わった日から15日以内に申請します。軽自動車は自動車検査証の変更記録で、譲渡証明書や印鑑証明書は協会の必要書類に挙がっておらず、代理申請には申請依頼書を使い、手数料は無料です。2023年1月からの電子車検証は券面に所有者や有効期間が出ないため、閲覧アプリでの確認を買取の手順に組み込んでください。
中古車販売の必要書類に関するよくある質問
- 中古車の名義変更に使う印鑑証明書は、いつ発行のものまで使えますか?
- 登録車の移転登録では、新旧所有者とも発行から3か月以内の印鑑証明書が必要です。自動車登録令第16条第3項も、印鑑に関する証明書は作成後3か月以内のものでなければならないと定めています。買取から再販まで時間がかかる車は、旧所有者の印鑑証明書の期限切れに注意してください。
- 軽自動車の名義変更にも譲渡証明書と印鑑証明書は必要ですか?
- 軽自動車検査協会の名義変更の必要書類には、譲渡証明書や印鑑証明書は挙がっていません。必要なのは自動車検査証、新しい使用者の住所を証する書面(住民票の写し又は印鑑証明書)、自動車検査証変更記録申請書などです。使用者以外が手続きをする場合は申請依頼書が必要です。
- 譲渡証明書は何通書いてもらえばよいですか?
- 1両につき1通です。道路運送車両法第33条第2項は、譲渡証明書を自動車1両につき2通以上交付してはならないと定めています。書き損じた場合は破棄し、新しい用紙に旧所有者の実印を押してもらいます。
- 電子車検証になってから、買取時に確認する方法は変わりましたか?
- 2023年1月4日から車検証は電子化され、券面には有効期間や使用者の住所、所有者の情報が記載されません。所有者や有効期間は、国土交通省の車検証閲覧アプリでICタグを読み取って確認します。
- リサイクル券を紛失した車も買い取れますか?
- 預託の状況は自動車リサイクル促進センターのリサイクル料金検索で、車台番号と登録番号から確認できます。リサイクル券が手元になくても預託の事実を確かめられるので、査定の前に検索して記録を残しておくと精算がスムーズです。
- 中古車販売を始めるとき、車両や顧客の管理はどうすればよいですか?
- 販売する車の仕入れ値・整備費・売値、顧客の情報、注文書や保証書を1か所で扱えるのが車両販売システム(車販ソフト)です。整備も行う場合は自動車整備システム(自動車整備ソフト)とデータがつながるかを確認します。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで始められるか、開業時の台数に合うかも確かめてください。
出典
この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月4日確認)。
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト 車を売買等により名義変更するために必要な書類:https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/transfer/document/index.html
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト 車を売買等により名義変更するためには:https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/transfer/index.html
- 東北運輸局 青森運輸支局 自動車の登録(移転登録):https://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/am/am-sub02-003.html
- 軽自動車検査協会 名義変更(売買・譲渡・その他):https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/change_name.html
- 軽自動車検査協会 各種申請書類の一覧と記入例:https://www.keikenkyo.or.jp/form_example/list.html
- 軽自動車検査協会 FAQ Q.2-008 代理で手続きを行う場合の委任状:https://www.keikenkyo-faq.jp/category02/inport-23/
- 軽自動車検査協会 FAQ Q.2-002 軽自動車の名義変更と車庫証明:https://www.keikenkyo-faq.jp/category02/inport-17/
- 国土交通省 電子車検証特設サイト 自動車所有者・使用者の方へ:https://www.denshishakensho-portal.mlit.go.jp/user/
- 自動車リサイクル促進センター リサイクル料金の支払い・受け取りの流れ:https://www.jarc.or.jp/automobile/fee/timing/
- 道路運送車両法(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185
- 自動車登録令(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000256
- 自動車損害賠償保障法(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/330AC0000000097
