中古自動車査定士とは?資格の取り方と受験資格、費用、更新、販売店が持つ意味

中古自動車査定士の資格と取り方 技能検定の受験資格、研修、登録条件と3年ごとの更新を確認

中古自動車査定士の資格と取り方を、制度を運営する日本自動車査定協会(JAAI)の公表内容をもとにまとめました。この記事は中古車屋の開業ガイドの一つとして、技能検定の受験資格、研修、登録条件と3年ごとの更新を確認し、中古車販売店が査定士を置く意味まで整理しています。費用や日程は支所ごとの案内が基になっているため、受験する地域の支所で最新の内容を確認してください。

この記事で確認した一次情報

中古自動車査定士とは

中古自動車査定士とは、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が実施する中古自動車査定士技能検定に合格し、協会に登録された人のことです。JAAIは「中古自動車査定制度運営規程」に基づいて技能検定を行っており、中古自動車査定制度は1979年4月1日に始まりました。制度の目的は、一般消費者の保護と中古車の流通秩序の維持です。JAAIの「査定とは?」のページは、制度に則った査定を行う査定業務実施店が全国で約7,800社、査定士として登録されている人が約13.5万人と紹介しています。査定士の役割は、下取りや買取りをする車を査定し、消費者にとっての資産評価と、販売店にとっての仕入れ価格の評価を示すことです。一台ごとに状態が違う中古車を、協会が定めた査定基準と加減点基準という共通のモノサシで価格にする技能が問われます。

JAAIは経済産業省と国土交通省の指導のもとに設立されたと説明していますが、査定士は協会の制度に基づく資格で、国家資格には当たりません。運転免許のような公的な免許とは位置づけが違う点を押さえておきます。

小型車査定士と大型車査定士の違い

小型車査定士と大型車査定士の違いは、査定できる車の範囲です。JAAIの技能検定の案内によると、査定士には小型車査定士と大型車査定士の2種類があり、資格はそれぞれ別に行われる技能検定試験の合格者に与えられます。兵庫県支所の2026年度の案内は、小型査定士は乗用車、商用車及び2tベースの貨物車を査定する資格、大型査定士はそれ以外の自動車を査定する資格と説明しています。運転免許と異なり、大型査定士の資格で小型の査定はできず、車種に対応した資格を取る必要があると同支所は注意書きをしています。乗用車を中心に扱う中古車販売店なら小型車査定士、トラックやバスを扱う店は大型車査定士も検討します。両方を同時に受験することもできます。

区分査定できる車(兵庫県支所の案内)試験の回数(JAAI本部の案内)
小型車査定士乗用車、商用車及び2tベースの貨物車を扱えます原則として年2回実施されます
大型車査定士小型の範囲以外の自動車を扱えます原則として年1回実施されます

登録には運転免許も必要で、小型車査定士は普通自動車第一種運転免許以上、大型車査定士は大型第一種運転免許以上が条件です。

中古自動車査定士の受験資格と研修

中古自動車査定士の受験資格は、協会所定の3日間の研修又はeラーニングを修了することです。JAAIの技能検定のページも「査定とは?」のQ&Aも、受験資格としてこの研修の修了を挙げ、受験資格を充たしていれば誰でも受験できると説明しています。研修は協会の各都道府県支所が実施し、兵庫県支所の2026年度後期は、小型査定士の面前講習を3日間の日程で2コース設け、eラーニングの受講コースも選べるようにしています。技能検定試験は学科と実技の2つで、学科では中古自動車査定制度、中古自動車査定基準と加減点基準、自動車の構造と機能、保安基準などの法規を、実技では机上での査定を問われます。試験の成績などの詳細は公表されていないと協会は明記しています。

  • 学科試験は、中古自動車査定制度、査定基準と細則及び加減点基準、自動車の構造と機能、保安基準などの法規、その他査定に関する事項から出題されます。
  • 実技試験は、机上で査定の実技を行います。
  • 申請時には、技能検定申請書、写真2枚(縦40mm、横30mm)、運転免許証又は住所を確認できる書類が要ります。
  • 受付は協会の支所のほか、一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会でも行っています。

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査定士試験の日程と費用(2026年度の例)

査定士試験の日程と費用は、支所ごとに公示されます。JAAI本部の2026年度の受験案内では、第82回の申請受付期間が2026年9月7日から10月2日まで、第82回小型車査定士試験の実施日が2026年12月10日です。費用の例として兵庫県支所の案内を見ると、小型査定士は受験料4,950円、受講料8,800円、教材費4,400円の合計18,150円、大型査定士は合計18,975円、小型と大型の同時受験は合計34,155円(いずれも消費税込)です。一度受け取った受験料などは原則として返されません。申込みが多い場合は受付期間内でも締め切ることがあり、兵庫県支所は後期の募集定員を最大260名としています。開業前に資格を取りたい場合は、受付開始の時期を逆算して研修日程を確保します。

受験の種類(兵庫県支所)受験料受講料教材費合計(税込)
小型査定士4,950円8,800円4,400円18,150円
大型査定士4,950円8,800円5,225円18,975円
小型と大型の同時受験9,900円16,500円7,755円34,155円

費用は兵庫県支所が公表した2026年度の額です。他の都道府県の金額はそれぞれの支所の案内で確認してください。JAAI本部のページには全国共通の金額は掲載されていません。

査定士の登録条件と査定業務実施店の手続き

査定士の登録条件は、技能検定に合格したうえで、年齢18歳以上であること、協会又は査定業務実施店に所属していること、所定の運転免許を持っていることです。合格しただけでは協会が認定した査定士として査定業務を行えず、所属する事業主が手続きを済ませる必要があります。兵庫県支所の案内では、事業主の手続きとして、合格証書の交付、査定業務実施通知書と古物商許可証の写しの提出、賛助会費の納付、査定業務実施確認書の交付、査定業務実施店の看板の交付、査定士証代金の納付、査定士証の交付の順に進みます。賛助会費は同支所の場合、査定士1人の店で年額16,000円、2人で20,000円、3人以上で24,000円(いずれも非課税)、査定士証代金は1人1,650円(税込)です。古物商許可証の写しが求められるため、許可を取ってから実施店の手続きに進みます。

  1. 技能検定に合格し、合格証書の交付を受けます。
  2. 事業主が査定業務実施通知書と古物商許可証の写しを支所に出します。
  3. 賛助会費を納め、査定業務実施確認書と実施店の看板を受け取ります。
  4. 査定士証代金を納め、査定士証の交付を受けます。

古物商許可の取り方は中古車販売に必要な古物商許可の取り方、営業所の条件は古物商の営業所の要件で解説しています。

査定士証の有効期間と更新

査定士証の有効期間は3年間です。日本自動車査定協会大阪府支所の案内によると、期限が近づくと協会が実施する技能向上研修を受講し、その際に査定業務実施店に所属している人について有効期限が更新されます。期限を更新せずに過ぎた人は登録が取り消されますが、再び登録の条件を満たせば、実施店からの届出により技能向上研修の受講状況などを審査したうえで再登録できます。東京都支所の2025年の案内では、更新のための技能向上研修は集合研修とオンラインのeラーニングから選べ、研修費用は1名3,850円(税込)でした。運転免許の資格を失った場合や退職した場合は査定士証を返納するよう大阪府支所は案内しており、査定士が辞めると店の査定体制も変わります。

項目内容出典
有効期間3年間です大阪府支所
更新の方法技能向上研修を受講し、実施店に所属していれば更新されます大阪府支所
研修の形式集合研修かeラーニングを選べます東京都支所(2025年)
研修費用1名3,850円(税込)でした東京都支所(2025年)
期限切れの場合登録は取り消されますが、条件を満たせば再登録できます大阪府支所

中古車販売店が査定士を置く意味

中古車販売店が査定士を置く意味は、買取や下取りの価格を、協会の査定基準という共通の方法で説明できるようになることです。JAAIは、査定制度に則った査定を多くの実施店が行うことで、査定の考え方や方法が明らかにされ、どこの販売店でも評価の方法に極端な差が出ないという利点があると説明しています。一方で、査定価格そのものは各社が定める基本価格から始まり、立地や販売政策によって会社ごとに異なるとも書いています。つまり査定士の資格は価格を決めるものではなく、価格の根拠を個別査定書(カーチェックシート)の形で示す技能です。開業直後の小さな店では、お客様から「なぜこの金額なのか」を聞かれる場面が多く、加減点の根拠を紙で示せることが信頼につながります。

  • 査定業務実施店の看板を店頭に掲げられ、制度に則った査定をする店だと示せます。
  • 個別査定書に修復歴や内外装の状態を記録するので、仕入れ時の状態の記録が残ります。
  • オートオークションの出品や仕入れで、車両状態を同じ基準で見る力が付きます。
  • 賛助会費や研修費用がかかり、査定士が退職すると体制の見直しが必要になります。

買取時に受け取る書類は中古車販売で必要な書類一覧、開業の全体の順番は車屋を始めるための開業手順で確認できます。

まとめ

中古自動車査定士は、日本自動車査定協会(JAAI)の技能検定に合格し、協会に登録された人の資格で、国家資格ではありません。小型車査定士と大型車査定士の2種類があり、受験資格は協会所定の3日間の研修又はeラーニングの修了です。試験は小型が年2回、大型が年1回で、2026年度の第82回小型車試験は12月10日に行われます。登録には18歳以上、査定業務実施店への所属、運転免許が必要で、実施店の手続きでは古物商許可証の写しを出します。査定士証の有効期間は3年間で、技能向上研修を受けて更新します。費用は支所ごとに異なるので、受験する地域の支所で確認してください。

中古自動車査定士に関するよくある質問

中古自動車査定士は国家資格ですか?
国家資格ではありません。一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が「中古自動車査定制度運営規程」に基づいて実施する技能検定に合格し、協会に登録された人が中古自動車査定士です。JAAIは、経済産業省と国土交通省の指導のもとに設立されたと説明しています。
中古車販売や買取をするのに査定士の資格は必須ですか?
JAAIは、査定制度はこの制度に賛同する自動車販売事業者を対象にしており、どこの販売店にも査定士がいるわけではないと説明しています。中古車の売買に必要な許可は古物商許可で、査定士の資格とは別のものです。
査定士の受験資格に実務経験は必要ですか?
JAAIの技能検定の案内では、受験者の資格は協会所定の3日間の研修又はeラーニングの修了です。実務経験の年数は受験資格として挙がっていません。登録には、合格に加えて18歳以上、査定業務実施店への所属、運転免許の保有が必要です。
査定士の試験はいつありますか?
原則として、小型車査定士が年2回、大型車査定士が年1回、全国同時に各都道府県の支所ごとに実施されます。2026年度後期の第82回小型車査定士試験は2026年12月10日で、申請受付は2026年9月7日から10月2日まででした。
査定士証の有効期間と更新の方法を教えてください。
日本自動車査定協会大阪府支所の案内によると、査定士証の有効期間は3年間です。期限が近づくと協会の技能向上研修を受け、その時点で査定業務実施店に所属している人の有効期限が更新されます。東京都支所の2025年の案内では、研修費用は1名3,850円(税込)でした。
中古車販売を始めるとき、車両や顧客の管理はどうすればよいですか?
販売する車の仕入れ値・整備費・売値、顧客の情報、注文書や保証書を1か所で扱えるのが車両販売システム(車販ソフト)です。整備も行う場合は自動車整備システム(自動車整備ソフト)とデータがつながるかを確認します。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで始められるか、開業時の台数に合うかも確かめてください。

出典

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月4日確認)。

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